恋の五色菫

宝塚の新しい観劇のしかたをご提案中!

宝塚舞台機構への招待

 こちらでは宝塚の舞台機構をご紹介していく。

 

ご存じだと思うが、日本には宝塚専用の大劇場が2つある。

兵庫県の宝塚にあるのが宝塚大劇場、東京都の日比谷にあるのが東京宝塚劇場

宝塚大劇場の座席数は2550席、東京宝塚劇場は2065席。どちらにも同じ舞台機構を備えた大きな劇場となっている。

基本の作りは同じ劇場だが、舞台の奥行きだけ東京宝塚劇場の方が少し小さい。

 

次に舞台転換を担当するスタッフの内訳(一例)だが、

舞台進行4人(上・下2人ずつ)

舞台機構3人

大道具14人(上・下7人ずつ)

小道具7人(上手4人、下手3人) 

の合計28人。

この人数で運営しているという。

少ないと思うかは人それぞれだが、私は妥当な人数かなとおもう。

これに加え衣装さんなどまだまだスタッフはいるとおもうし、生徒の人数も多いので多すぎても袖がごった返しそうだなと思う。

 

では舞台機構の説明をしていこう。

 

 

 

大階段

宝塚の装置といえばまず大階段を連想するのではないだろうか。

大階段は1927年「モン・パリ」にて初登場。以来、宝塚を代表する舞台機構に!

舞台機構界のトップスターである!

当初は16段だったが、現在は26段。

トップスターさんが立たれスポットライトがあびるところは下から10段目なのだとか。

1段の幅はなんと23センチ!落ちるジェンヌさんがいることも頷けますね。

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使用されていないときは壁面に収納されており、自動で前にせり出す方式。

出てくるまでにかかる所要時間はたったの2分20秒!

80人の重さまでたえられるのだとか。 

タカラジェンヌの重さで80人??りんご80個分??

このアームにような金属だけに支えられたパネルに80人乗っても大丈夫!!!とかなんとも恐ろしい。


 ちなみに東京宝塚劇場は舞台の奥行きが小さいため、大階段が収納できない。

そのため大階段と影段(階段を登るための袖にある階段)は吊り上げ式で収納されている。

 

 

銀橋

大階段の次に有名な装置と言えるだろう銀橋(ぎんきょう)。

1931年「ローズパリ」にて初登場。

客席とオーケストラピットの間にあるエプロンステージの事を宝塚では銀橋と呼んでいる。登場する以前は、客席とステージの間を柵で仕切っていたのだとか(笑)

 

なんで金でなはなく銀…?と思われた方もいるのではないだろうか。

実はかつて旧宝塚大劇場には本当に金橋があったのだそう。

旧劇場は客席が3階席まであったため、上のお客様まで見えるようにとステージの真上に設置されたいた。

 

そしてこの銀橋でソロを歌えるようになれるジェンヌさんは一握りしかいないため、みんなが夢見るステージといえる。

 

 

盆(廻り舞台) 

廻り舞台といわれる360度回転する舞台。

ちょうどステージの真ん中に位置し、回転することで一瞬で舞台転換を可能にする舞台機構。

直径は約14.6メートル。

客席から見ていても結構なスピードで回転するので、ジェンヌさんたちも回転中の乗り降りはかなり大変なのだとか。

 

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せり舞台

上下に昇降する舞台の事を言う。

宝塚には6基のせり舞台が使用されている。

上の図のように盆のなかにある4台は客席側から数えて1号~4号と、両花道にある7号、8号の2台を合わせて6基。

 

1号、4号せりはほとんど一緒で基本的に人の移動のために使われる事が主。

2号せりは3つに分かれ独立して動くことが出来、階段のようにさせることもできる。

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3号せりはせりのなかで一番大きく、最大4メートルまで上がることが出来る。(スポットライトが2.7メートルの位置までしか届かないため通常はそこまで上がることはない)

さらにせりの中がこのように空洞になっており、セットを組むことができる。そのため主にセットとして使用されることが多い。

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そして花道の上手と下手にひとつずつあるせりの上手が7号、下手が8号せり。

歌舞伎などでつかわれるスッポンと呼ばれるものと同様。

どちらも定員は1名、幅1.2メートル、奥行0.9メートル。

 

さて、ここまできて気づいた方もいるのではないだろうか。

せりの通し番号には5号と6号が飛んでいる。実はかつて5号、6号のせりも存在しており、場所は舞台の前方上下に1つずつあり、7号、8号の近くだったそう。

しかし今現在は使われなくなってしまったようで完全に閉じられている。

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いつか使用している作品が見つかればまたご紹介したい。

 

主な舞台機構をご紹介してきたが、これは一部だけでまだまだ背景画を吊る美術バトンの多さであったり、スポットライトも1人が片手で2台動かす特注品だったりと変わったものが多く存在するのが、細かく言い出すときりがなくなってしまう。

またの機会があれば紹介していこうと思う。

 

ここまで読んでくださったのならぜひ次も読んでかえってほしい。