HOT EYES!~33年越しの夢~
前回の記事で、大階段のマンネリと演出家の挑戦をお話した。
今回はこのブログらしく舞台転換も交えながら作品を紹介しよう。
現在売れっ子と呼ばれる演出家たちも『オペラ・トロピカル』には多大なる影響を受けているようだ。
藤井大介先生。
以前このブログでお酒シリーズのショーを紹介したと思う。
ダイスケ先生は小さい頃から宝塚が大好きな少年だったようで、子供時代にみた『オペラ・トロピカル』には感銘を受けたのだとか。
この作品の売りはなんといっても『大階段出しっぱなし』というところだと思う。
その作品の影響も受け、“平成版・大階段出しっぱなしショー”を上演した。
それが『HOT EYES!!』である。
2016年宙組にて上演され、宝塚101周年の幕開きの作品。朝夏まなとさんのトップスターお披露目公演であった。
朝夏まなとさんの大きく真っ直ぐな“瞳”。その瞳に宿る、輝きや情熱から受ける様々なイメージをテーマに、エレガンスとダイナミックさを合わせ持つ。華やかで情熱的なショー作品。
※舞台転換をお伝えするのが私の得意分野ですが、基本的に大階段がでているので大きな舞台転換はありません(笑)
しかし“平成版”、“100周年を迎えた宝塚”の大階段出しっぱなしショーはここが違う!
大階段の存在感がパワーアップ!!!
この作品から大階段に丸型の電球以外に、大階段の側面にパネルが付き、そこにLEDが搭載された。LEDが用いられるようになり、表現方法が豊かになった。
オープニングではその変化がみられる。
幕開きには従来の電飾のみ使用されている。
トップスターの朝夏まなとさんが登場すると共にLEDが輝く。
登場した瞬間の、赤色のLEDが点灯したときはものすごいインパクトである。
このシーンではもはや何が何だか。
こんなお色もだせますよ!という
カラーバリエーションのご紹介という感じ。
ちなみに大階段を隠している場面もある。
今回は吊り物でしか場面転換ができないため、さまざまな吊り物が用意されていた。
大階段が出しっぱなしのショーで唯一使える床機構がセリ舞台。
大階段の前にある小さな階段は2号せりを使用しているようだ。
このカメラアングルでは、セリの上に高さを出すための台が付け加えられていることがわかるのが、大変嬉しい発見だった。(笑)
瞳をイメージしたショーだったので、大階段はお客様の目にも焼き付くほどのインパクトをもたらしたと思います。
しかし、大階段の進化を喜ぶは私くらいのものであったかもしれません。
実際のオペラ・トロピカルをご覧になった方からしたら賛否あったそうですし、やはりこの演出は生徒さんに負担がかかるのは否めません。
さらに大階段の存在感がありすぎて、唯一の売りである遠近感を感じられない、シンプルにジャマと言う意見もよく分かります。
それはLEDだけのせいではなく、大階段の装飾にも問題があったように思います。
瞳をイメージした装飾が大階段に施されてあるが故に、演出を効果的にみせる舞台機構ではなく、巨大な電飾の背景という感じになってしまったのは悲しいところです。
LEDを搭載した大階段お披露目公演ということで目をつむってほしいと思う、舞台機構贔屓の私からのお願いです。(笑)
初搭載されてから4年目を迎えます。
より効果的に、さらに美しくこの機能を使いこなしてくれると嬉しいです。
いつかこの進化が大いなるマンネリとなりますように。