恋の五色菫

宝塚の新しい観劇のしかたをご提案中!

恋の曼荼羅 五十四帖~新源氏物語~

世界最古の長編小説といわれる源氏物語

宝塚では「あさきゆめみし」「夢浮橋」など源氏物語を題材とした作品を上演している。

 

今回は2015年明日海りおさん・花乃まりあさん主演で花組にて上演された「新源氏物語」をみていこうと思う。


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田辺聖子さんの「新源氏物語」をもとに、宝塚の柴田侑宏先生の脚本・演出で1981年に初めて上演された作品である。

 

 

さて、まずは幕開きから。
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日本物のオープニングは華やか!!!

そして幕開きには必ず「チョンパ」がつきもの。

舞台の幕が空くと一面真っ暗、そして次の瞬間にパッと明かりがつく、チョンパという言葉は歌舞伎用語からきている。

あの真っ暗な中、音もたてずスタンバイする出演者の方はすごいなと関心する。

毎度日本物のときはチョンパがあると思って観劇に挑むけれど、誘導する明かりが客席から見えないので、どうスタンバイするか本当に気になっている。

今作では銀橋の上には明日海さんしかいらっしゃらなかったが、日本物ショーの時は銀橋にずらーっと並ばれてのチョンパが多く、本当に圧巻。

(たまにオケピに落ちるなんてエピソードもききますね)

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さらにオープニングでは大階段が設置されているようだ。

大階段は真っ赤に彩られている。

この後、2幕のショーではいつもの大階段なので、休憩の飾り変えがあるのだろう。大変だ。

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ちなみに大階段の設置は2分20秒とお伝えしていると思うが、このオープニングの歌終わり、ものの1分程度で、このような後ろが透け、奥の人がみえるような吊り物が登場する。

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奥に大階段の姿は見えないので、後ろに紗幕などがかけられているか、1分もすればだいぶ見えないところまで大階段も収納するということか?興味深いなぁ。

 

 

 

光源氏といえば夜這い(笑)だけれども。

(いい表現が見つからずすみません)

 

源氏が藤壺の女御のところへ通うシーンでは

3号せりに閨がつくられている。

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この抱き合う2人の姿が見えるか見えないかのスケスケ具合。

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事情が進みながら、盆が回転していく。

みているこっちまでドキドキしてしまう演出。

3号せり、いとエロし。

 

 

ちなみに、このシーンでは3号せり以外は舞台上には何もないので盆の回転がよーくみえる。

測ってみると、半回転するのに約30秒だった。

 

盆の操作についてはコンピューター制御によるものであり、角度・回転方向は自由に設定できるのは何となくわかっていたが、

速度の変更については何段階かで操作可能である‘’らしい‘’というところまででしか正直わかっていない状況。

 

今回のような、盆の回転がみえる演出の際に何度か測ってみたけれど、だいたい盆が1周まわりきるのは約1分という結果に落ち着いている気がする。

もっと早く、あるいはもっと遅く回転する作品があるなら教えて頂きたいところだ。

 

 

その他のみどころは……

 

帝が回想で現れてきた場面

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すごく遠くの方で浮いている。

暗くてよく仕組みがよく分からなかったが、多分4号せりにのっていて、

その前に長細い幕?のようなものがかけられているいるのかと推測する。

 

ラストの場面は本当に華やか!

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藤の花は作品を通してしばしば登場するが、藤の棚の吊り物が得に美しい。

雅!雅なり!

 

 

 

皆さんご存知の源氏物語を現代語版にアレンジしており、意外にもポップな曲調が多く、日本物としてはかなり見易い作品としてつくられている。

なにより光源氏役の明日海さんが素敵!

この源氏にならコロッといっちゃうのわかるな〜とおもわせる、明日海さんの光源氏をぜひご覧いただきたい。